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350人の歯科医療従事者、患者が集う
「保険でより良い歯科医療を求める」6・6歯科総決起集会
350人が参加し歯科医療の充実を求めた
集会が採択したアピールはこちら

 歯科医療費の総枠拡大を求めて、6月6日に「保険でより良い歯科医療を求める」6・6歯科総決起集会が開催されました。参加者は総数で約350人。国会議員は14人が集会に参加。メッセージ・秘書参加を含めると52人にのぼり、政党別では自民・公明・立憲・国民・共産・無所属と与野党をこえて集会に集いました。集会では、「保険でより良い歯科医療を求める請願署名」を参加議員に託しました。

■総枠拡大は我々の正当な要求-開会挨拶
宇佐美副会長
 開会挨拶にたった宇佐美宏全国連絡会副会長(保団連歯科代表)は、「本集会の目的は、『歯科医療費の総枠拡大』。平成元年に10%あった歯科医療費のシェアは、30年たって7%に減少している。これは国による歯科医療軽視政策そのものであり、憤りを感じるのは私一人ではないと思う。歯科医療費の総枠拡大は、我々の正当な要求であり、国民の願いである。かつての『保険で良い入れ歯運動』の時のような国民的な大運動にしていきたい」と決意を述べました。

■歯科医療危機打開に向けて-基調報告
雨松会長
 続けて、雨松真希人全国連絡会会長(歯科技工士)が基調報告を行い、(1)お口の健康を保つことが、全身の健康に大きく関係することは、広く国民のみなさんに認識され、「骨太方針2018」をはじめ、政府も歯科の重要性を強調してきている、(2)それにも関わらず、骨太方針のいう『歯科口腔保健の充実と歯科保健医療の充実』を実現するに足りうる歯科医療費の伸びとはなっていない。(3)歯科医療の現場では、「歯科医療にかかれない患者・国民の存在」「歯科医療機関の経営悪化と困難を抱える歯科医療従事者」という2つの「歯科医療の危機」が存在する、(4)歯科医療の危機打開のためには、歯科医療費の総枠拡大と患者負担の軽減以外にない。本日の集会をその第一歩にしていこう、と訴えました。

■実態報告と決意が次々と-フロア発言
フロアからも切実な実態が報告された
 フロア発言では、家族が倒れたために直した入れ歯の支払いができない患者さん、学校健診で矯正治療が必要とされたにも関わらずお金が工面できないために子どもに謝るしかないお父さん、やりがいのある仕事にもかかわらず離職していく歯科技工士など、患者さんや歯科医療従事者の実態が次々と報告されました。また、現状を打開するためにも、歯科診療報酬の大幅引き上げ、保険適用範囲の拡大、窓口負担軽減を求めていこうとの提起が次々と出されました。 国会議員の挨拶では、歯科医療の重要性と共に、初再診料の医科歯科格差の是正など診療報酬の引き上げ、保険適用範囲の拡大など歯科医療の充実に尽力していくとの力強い決意表明が次々となされました。

■アピール案を採択
 集会では、歯科医師の平田高士先生(京都歯科協会)、歯科技工士の岸本隆太郎さん、歯科衛生士の瀬川桂織さんの3人からアピール案「お口の健康を保つことは全身の健康に関係 歯科医療充実のためにも必要な予算を確保し、歯科診療報酬の大幅引き上げ、保険のきく範囲の拡大、患者窓口負担の軽減を求めます!」が提案されました。アピール案は、集会参加者の拍手で採択されました。

■さらに運動を進めよう-閉会挨拶
 最後に閉会挨拶にたった榊原啓太全国連絡会世話人(全日本民医連歯科部員)は、「集会は閉会するが、運動は長く続く。ここで共有できた思いをもとにさらに運動を進めていこう」と結びました。
 なお、集会では、日本歯科医師会をはじめ、24の医療関係団体等からメッセージが寄せられたことも紹介されました。